ADHD(注意欠如・多動症)や学習障害(LD)への算数の教え方をご紹介します。「その子に合わせた工夫」「型にはまらない勉強方法」は必ずあります。少しでも学習のヒントになれば幸いです。
計算で指を使うことは良いこと!?
「いつまでも指を使って計算しない!」
という言葉をよく小学校の授業で耳にしていました。
指を使うのはたいてい小学1年生までですが、苦手な子や理解しにくい場合は指を使っても何も問題ありません。指を使い、眼で見て確認しながら考えることは一番確実で理解しやすい解き方なのでぜひ使ってください。指を使うのは計算に慣れてくれば自然と使わなくなります。
立ったまま勉強しても良い
座っているのが苦痛で、すぐ動く子は無理に座らせておく必要はありません。立ったままでも勉強はできます。なんならバランスボールに座りながらや、足つぼマッサージの板を踏みながら勉強したっていいんです。
その子が勉強しやすい姿勢を見つけてあげましょう。
勉強の手が止まってしまったら
順調に問題を解いていると思ったら手が止まってしまった。そんな時はどんな言葉をかけますか?ここで一番使ってはいけない言葉は「勉強しなさい」です。○○しなさい!という命令口調は子どものやる気を奪ってしまうので極力使わないようにしましょう。
代わりに「お!ここまで解けてるね!」や「ちゃんとできてるね」というようなポジティブな言葉を使ってあげましょう。
言葉にさせてみる
本当に理解できているかを確認する時には「分かった?」と聞くよりも「説明してみて!」と聞く方が効果的です。
子どもに「分かった?」と聞いてしまうと、大抵は「早く勉強を終わらせたいから」や、「怒られたくないから」といった理由で理解できていなくても「分かった!」と言ってしまいます。それでは本当の解決にはならないので言葉に出して説明してもらいましょう。
口に出すことで本当に理解しているかの確認もできますし、本人も気づいていない勘違いなどが発見できたりします。
分からなかったら一番簡単にしてみる
例えば二桁の計算が苦手な時はそれを何回も練習するよりも、一旦、一桁の計算に戻ってあげましょう。基本がしっかり身に付いてなければその先に進もうとしてもなかなか進めません。無理して二桁の計算を練習しても、身に付かなく苦手意識が増えるばかりになったら最悪なので、無理せず一度、基本に立ち直ってみましょう。
掛け算割り算の筆算も同じように
筆算に入ると急にできなくなる子は原因を突き詰めてみると、「かけ算九九をしっかり覚えていない」ということが良くあります。かけ算がスラスラ出てこないので筆算にも時間がかかってしまうという構図です。まずは基本のかけ算九九から練習しなおすとスムーズに筆算を解けるようになります。
ホワイトボードも一つの手段
ノートに書くのが苦手な子は他のもので代用してみると好きな書き方が見つかるかもしれません。
ほとんどのノートには罫線がついており文字の大きさや書く場所が制限されてしまいます。枠に収まる書き方が苦手な場合は真っ白な自由帳やホワイトボード、黒板などを使って大きく自由に書かせてみると、楽しみながら勉強できるかもしれません。
キャッチボールと掛け算九九
授業でよく取り入れている勉強法をご紹介します。
掛け算九九や繰り上がる足し算、繰り下がる引き算が苦手な子は、ただ椅子に座って勉強させるだけではなく体を動かしながら勉強するのも一つの手段です。
例えば、掛け算九九や足し算引き算を言いながらキャッチボールをしてもらいます。ボールをキャッチする方にも意識が向くので「勉強嫌い!」という感情が和らぎ意外とすんなりできるようになります。
この方法は東大生が暗記をするときに歩きながら勉強するという方法の応用です。べつにキャッチボールでなくてもサッカーや縄跳び、トランプなどでも代用できますので家にあるもので工夫しながらチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?
さいごに
世の中には色んな人がいます。頭が良い、足が速い、歌が上手い、ダンスが得意、などなど。
一人として同じ人はいません。人と違うということは素晴らしいことです。
人と違うということは、物事を別の角度から見られたり、普通では思いつかないことを思いついたり、人が容易にできない行動をいとも簡単にできたりするということです。
つまりは人よりも優れた才能があるのと同じなのです。
数楽の家は不登校に対応できる塾でもあるので、学校に通っておらず勉強が止まっている生徒も気軽に通うことができます。ホームスクーリングの教え方や保護者様向けの「算数の教え方のコツ」をお伝えするコースもあります。
小学生は算数教室、中学生は数学の個別指導、県外の方には算数数学のオンライン授業も行っています。