分数を書く時に定規を使う理由は、定規の使い方の練習と手先の感覚を鍛えるためです。
現代の子ども達はタブレットやゲームをする機会が増えたことで手先を使っての遊びに
触れることが少なくなっています。その影響で指先の力加減や細かい使い方が苦手になっている小学生が多くなってきました。
手先の感覚と脳の発達は密接に関係しています。手先の感覚が良い方が脳の発達も良いため子どもの頃に指先の感覚を鍛えておく必要があります。実は算数が苦手になる小学生のほとんどはコンパスや定規の使い方で苦戦しています。※詳しくは、算数が苦手にならない教育法 でご紹介しています。
しかし、家で指先を鍛える練習してくださいね!と言ってもほとんどの小学生はやらないでしょう。
ではどうすればいいのか。と考えたときにどうせ分数の横線を書くなら定規を使う練習にしようということになり今に至ります。
という理由なら納得できるのではないでしょうか。
「分数の横線をなぜ定規で引かせるのか」の理由は色々な説があるらしく定かではありませんが
否定ばかりしても前には進めないので納得できる理由を付けてみました。
一部の生徒は、手先が器用で算数もスラスラ解けて、定規を使わなくても綺麗に線が引けます。そういう生徒は定規を使わなくてもいいですが、小学校のクラスの中で「あなただけは定規を使わないでOKです」という事になると他の生徒に示しが付かないですし、先生も定規を使う生徒と使わない生徒を把握しておくのは大変です。なので全員に「分数の線を引く時は定規を使って下さい」と言っているのではないでしょうか。
分数が苦手な小学生の改善方法
分数が苦手な場合は「どこまで理解できているか」をさかのぼって確認してみましょう。例えば小学5年生なら
- 分数の足し算引き算
- 通分
- 約分
- 小数から分数への変換
- 分数から小数への変換
- 大きさの違い
などの確認が必要になります。
小学4年生なら
- 帯分数と仮分数
- 分数の足し算引き算
- 数直線での見方
- 大きさの比べ方
など。
小学3年生なら
- ものの分け方
- 1になる分数
- 小数と分数の関係
などです。
分数は最初の考え方がとても重要になります。「1を何個に分けたうちの何個分か」「区切り方」などが理解できていないとその先が全く分からなくなるのでつまずいてきたかな~と感じたらさかのぼって復習をしておきましょう。小学3年生の分数まとめプリント、小学4年生の分数まとめプリント、小学5年生の分数まとめプリント、で各学年の内容を復習することができます。
分数の確認ポイント
1になる分数
2分の2、3分の3、4分の4など「1」と同じになる分数は分母と分子の数が同じになるということ。
1ー3分の1の計算
1ー2分の1や1ー3分の1などの「整数引く分数」の計算方法を理解できているか。
分け方
数直線や長方形、円などを分けるときの線の書き方ができるかどうか。特に「3つに分けれるか」を確認しておきましょう。
分数の大きさ
「2分の1と3分の1はどちらが大きい?」という質問に対して「3分の1!」と答えてしまう場合は分数の意味を理解していない可能性があります。2択だと当てずっぽうで正解する可能性があるので4択くらいで質問してみましょう。
手や指の発達と脳の関係
手や指の動きは脳と密接に関わっており、指先は「第2の脳」と言われます。手指には、脳につながっている神経がたくさんあり、手指を動かすことで脳が刺激されるためです。また、脳の神経細胞は、0歳から2・3歳頃までに急速に成長すると言われます。
3歳頃の脳の重さは、大人の約90%になるとされており、特に視覚・触覚・聴覚や言語能力に関わる部分の発達がめざましいと考えられています。さらに、ペンを持つ・洋服のボタンを留めるなど、指先の発達が必要な動作は、日常生活を送るうえでも重要です。自分でできる日常動作が増えると、子どもも自分から進んで行動するようになりますよね。このことから、手指の発達は、子どもの自立への第一歩だとも考えられています。指先を使った遊びは、”目と手の協応運動”に役立ちます。目と手の協応運動とは、目の動きに手の動きをあわせる力です。例えば、字を書くときには線を書く方向を見ながら、そちらに向けて鉛筆を動かす必要があります。目と手を連動させることは、学習に向けた土台を作るためにも重要な力です。また、指先をたくさん使うと、子どもの集中力を高めます。子どもが指先を使う遊びに熱中すると、より繊細に指先を動かそうと集中するためです。さらに、指先を使った遊びは脳を刺激することから、運動能力や言語力の発達にもよい効果があると言われています。