「小4の壁」「特に算数は小学4年生から分からなくなる」子育てをされている保護者様なら一度は聞かれたことがあると思います。しかし聞いたことはあるけど具体的にどういうことなのか分からない、という方に今回は具体的にお話しします。
まず小4の壁をざっくり説明すると、
4年生で習う算数の内容を理解できれば、5年生、6年生も楽しく算数を勉強できますが、4年生の内容が理解できなかったら、そこからずっと算数が苦手になる。という
乗り越えられるかどうかの瀬戸際
のことです。
文章問題はこんな感じ
大人から見ればそんなに難しくはないですが、子どもから見たら難しいと思います。
4年生は、まだ少数分数の計算が定着していない状態です。
その状態で更に文章問題がくっついてくるので、ダブルで分からなくなります。整数の時は解けたのに分数や少数の文章問題になると解けなくなる。という子は整数になおして問題を解いてみましょう。
分数小数なので難しいと感じるのであって、それを整数で例えてあげればわかりやすくなります。
抽象的な問題が出てくる
小学3年生までは答えを1つだけ出せばよかったのに、4年生からは概数(およその数)という単元が出てきてざっくりとした数を出したり、ケタ数の多い割り算をするときにちょうど良い数にして計算することが出てきます。このように予想をつけて数をイメージするなど抽象的な思考が始まるので、子どもたちはつまずきやすくなります。
小学4年生(10歳)は日常生活の中での経験が少ないので、抽象的な文章から答えを導き出すのがなかなか難しいものです。では具体的にどうやってつまづきを克服すれば良いのかを簡単にご説明します。
割り算
小4のつまずきやすい単元と言えば「割り算」です。
例えば672÷14という問題があるとします。まずは「67の中に14が何個入っているか」を考えます。ここでパッと数字が出てこない時はとりあえず基準を作るために5で計算してみましょう。
そうすると「14×5は70」となり「あ!行き過ぎた!」と判断することができます。
これを何も計算せずに「う~ん」と考えていると、分からない時間も増えモチベーションが下がってしまいます。迷ったらまず5で計算して基準を作る。これが割り算が得意になる1つのポイントです。
小数の計算
小数の計算は大きさや位をしっかり理解しておかないと問題が難しくなった時に対応できなくなります。
「小数は何なのか」「0.1はどんな数なのか」を分かっているのか確認しておく必要があります。
「1は0.1が10個集まった数」
ということ。0.1が何個分とイメージしながら計算すると、答えもだしやすくなります。
がい数の問題
億や兆という大きな単位を扱うときに出てくる「がい数」(およその数)ですが、つまずく子どもはたくさんいます。例えば「785246の千の位を四捨五入してがい数にしなさい」、「785246を、四捨五入をして上から2桁のがい数にしなさい」といった問題は、大人でも頭がこんがらがってしまいます。
そんな時は問題をそのまま解かせようとするのではなく
簡単な数字になおしてあげましょう。
いきなり億と言われても小学生はピンときません。
しかし「165の10の位」と言われれば理解することができます。そこから1つずつ位を上げていき1000の位、1万の位、10万の位……1億の位。とすれば簡単に解くことができます。
文章問題がどうしてもできない時は
文章問題がどうしてもできない!という場合は、とりあえずそれは置いときましょう。読解力や生活経験の少なさも関係してくるので成長と共にできるようになることもあります。焦って文章問題をさせようとしても、問題が「解けない」という思いだけが積み重なって算数自体が嫌いになります。
そうなるくらいなら一旦文章問題は置いておいて、整数と分数小数の四則演算(足し算、引き算、掛け算、わり算)を完璧にできるようにしておきましょう。
小学校で習う四則演算が完璧にできていないと中学校の数学になった時に何もできなくなります。中学3年生で小数のかけ算が実はよくわかりません……。というような生徒は意外と多いのです。
まとめ
小4の壁とは概念的な問題が入ってくることで子どもが理解できなくなり、そこを突破できるかできないかでその後の算数に響いてくるというものです。
克服するポイントは分からない問題はそのまま解こうとせずにまずは
簡単な数字になおして慣れさせる
ということです。
文章問題も同じく少数や分数を簡単な整数になおすことで理解しやすくなります。
数楽の家
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小学生は算数教室、中学生は数学の個別指導、県外の方には算数数学のオンライン授業も行っています。